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【30代女性の慢性的な肩こりの症例】考えられる原因と施術の進め方を解説します

マッサージに行っても、その場しのぎで終わってしまう
デスクワークだから肩こりは仕方ないと諦めている
姿勢を良くしようと気をつけているけれど、気づくと体が丸くなっている

そんな悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
実は、私たちが日々感じている「肩こり」という結果の裏には、
自分では思いもよらない場所に「本当の原因」が隠れていることが多々あります。

今回は、当院に来院された30代女性の症例を詳しくご紹介しながら、
顎関節症と肩こりの意外な関連性

そして手や腕の疲れがどのように全身の歪みへと波及していくのかについて、
専門的な仮説に基づき深く掘り下げて解説していきます。


⭕️ 顎関節症(がくかんせつしょう)とは何か?

顎関節症とは、アゴの関節やその周囲を動かす筋肉(咀嚼筋 :そしゃくきん)
に何らかのトラブルが起き、
「アゴが鳴る」「口が大きく開かない」「アゴが痛む」
といった症状が出る状態の総称です。

顎関節症の主な原因

顎関節症の原因は一つに特定されることは少なく、
複数の要因が積み重なって発症する疾患と考えられています。

  • ブラキシズム(食いしばり・歯ぎしり): 無意識に強い力がアゴにかかり続ける。

  • ストレス: 精神的な緊張が筋肉の強張りを生む。

  • 姿勢の崩れ: 猫背やストレートネックはアゴの位置を不安定にします。

  • 噛み合わせ: 歯並びや被せ物の不適合による負担。

  • 生活習慣: 頬杖をつく、片側だけで噛む、うつ伏せ寝などの癖。

顎関節症が引き起こす全身への影響

アゴの問題は、単に「口が開きにくい」だけにとどまりません。
アゴを動かす筋肉は首や頭の筋肉と密接に連動しているため、
以下のような随伴症状を引き起こすことがよくあります。

  • 慢性的な頭痛(緊張型頭痛)

  • 耳鳴りや耳の詰まった感じ

  • しつこい肩こり・首こり

  • 自律神経の乱れによる不調

今回の患者様も、左顎関節に顎関節症を抱えていらっしゃいました。
ご本人は「アゴの症状自体はそれほど気にならない」と仰っていましたが、
実はこのアゴの状態が、数ヶ月前から悪化した「ひどい肩こり」の一因
となっているのではないか、という可能性が見えてきました。


⭕️ 【症例紹介】30代女性、研究職。長引く肩こりの背景

患者様の状況

  • 職業: 研究職(PC作業や精密な作業がメイン)

  • 主訴: ここ数ヶ月、肩こりが非常に酷くなってきた。

  • 既往: 左顎関節の顎関節症があるが、日常生活での痛みなどは特に気にしていない。

身体の検査結果

詳しくお体を検査したところ、以下のような身体的特徴が見られました。

  1. 脊柱(背骨)のバランス:
    腰椎(腰の骨)がやや後ろに丸まっており(後弯)
    それに連動して骨盤も後ろに傾いている(後傾)状態でした。

  2. 座り姿勢:
    一見すると極端に悪いわけではありませんが、
    やはり腰が少し丸くなりやすい傾向にあります。

  3. 肩の位置の左右差:
    左右を比較すると、右肩が前方に入り込む
    「巻き肩」の状態になっていました。

ここから、なぜ「アゴ」の問題を抱える方に「ひどい肩こり」が起き、
さらに「腰や骨盤」にまで歪みが波及していたのか、
その仕組みについて一つの仮説を立てていきました。


⭕️なぜ「手」と「アゴ」が肩こりの引き金になるのか?

仮説①:手・腕の酷使による「連動性の低下」

研究職やPC作業をメインにされている方は、
指先や腕の筋肉を長時間、高い集中力で使い続けます。
すると、まず手首や肘周辺の筋肉が過剰に緊張し、硬くなります。

人体は「筋膜」という組織で全身が繋がっており、
腕の筋肉の緊張は肩甲骨へと伝わり、
さらには背骨(頚椎から胸椎)へと波及します。

特に肩甲骨の下あたりのレベル(胸椎の中部)の関節は、
本来しなやかに動くべき場所ですが、腕からの緊張が続くことで
この「しなり」が失われてしまいます。

もし、この「しなり」が減少するとどうなるでしょうか。

  • 肩甲骨の自由な動きが妨げられ、腕を動かすたびに肩周りの筋肉に過剰な負担がかかる。

  • 肋骨の可動域が制限され、呼吸が浅くなる。

  • 鎖骨の動きがロックされ、首の付け根の血流や神経伝達に影響が出る。

その結果として、後頭部から首、肩にかけての筋肉に、
日々の疲れが蓄積されやすい状態になっていたのではないかと考えられます。

仮説②:顎関節と頚椎(首の骨)の相関関係

もう一つが、以前からある「左顎関節症」の影響です。
アゴを動かす筋肉の中には、首の前側にある
「舌骨下筋群(ぜっこつかきんぐん)」という筋肉のグループがあり、
これらは頚椎(特に3番、4番、5番)や鎖骨と関わりがあります。

「左のアゴの関節に緩さがある」ということは、
無意識のうちにアゴを動かす際、左右で筋肉の使い方に
偏りが生じている可能性があります。

このわずかな左右の筋緊張の差が、長い時間をかけて
首の骨(頚椎)に傾きや”ねじれ”を生じさせているのではないか
と推測しました。

首は頭という重たい球体を支える重要な柱です。
柱が傾けば、当然その下の土台である肩や背中、
さらには腰の姿勢にまで代償的な歪みが及びます。

今回の患者様の「腰椎の後弯」や「骨盤の後傾」も、
全身のバランスを取ろうとした結果の歪みであったという可能性も考えられるのです。


⭕️ どのようなアプローチを行ったのか?

「肩がこるから肩を揉む」という対症療法ではなく、
原因のドミノを一つずつ元に戻していくような、多角的な施術を行いました。

  1. 手・腕・肘の関節の調整
    まずは、最も酷使されている手や腕の筋肉の緊張を丁寧に緩めました。
    併せて、微妙にズレが生じていた手首や肘関節の歪みを調整。
    これにより、肩甲骨周りの緊張を根元から緩和させます。

  2. 頭頸部とアゴのバランス調整
    左顎関節の調整とともに、関連する頚椎、
    そしてアゴの土台となる「側頭骨」や「後頭骨」といった
    頭蓋骨のバランスを整えました。
    これにより、首にかかっていた不自然なストレスを軽減します。

  3. 背骨の「しなり」の調整
    腕とアゴの緊張が取れた状態で、動きが固まっていた
    胸椎(肩甲骨周辺)にアプローチし、
    背骨本来のしなやかな動きを取り戻す調整を行いました。


⭕️施術の結果と見られた変化

数回の施術を重ねた結果、患者様の状態には以下のような変化が見られました。

  • 症状の解消:
    数ヶ月続いていた酷い肩こりが解消され、
    日常生活で重だるさを感じることがなくなりました。

  • 姿勢の美化:
    無理に背筋を伸ばそうと意識しなくても、
    骨盤が自然に立ち、座っている姿勢が美しく安定しました。

  • 回復力の向上:
    患者様から「これまでは疲れがなかなか取れなかったが、
    施術を受けるようになってから疲れの回復が早くなってきた」
    という、非常に嬉しいお声をいただきました。

これは、関節の動きがスムーズになり、呼吸が深くなったことで、
睡眠中などの「自己回復力」が正しく機能し始めた結果だと言えます。


⭕️まとめ

今回のケースは、あくまで一人の患者様の症例であり、
すべての方に全く同じことが当てはまるわけではありません。
しかし、この事例から私たちが学べる重要なことがあります。

それは、「痛みが出ている場所が、必ずしも痛みの本当の原因ではない」ということです。

もしあなたが、

  • 長年、慢性的な肩こりや痛みに悩んでいる

  • 整体やマッサージ、セルフケアを頑張っているけれど、変化が乏しい

  • 姿勢の悪さを自覚しているが、意識してもなかなか改善しない

という悩みを抱えているのなら、
少し視点を変えてみる必要があるかもしれません。

肩こりの背景に「顎関節」の問題が潜んでいるかもしれません。
あるいは、毎日使っている「指先や腕」の強張りが、
背骨の動きを止めているかもしれません。

体はすべて繋がっています。
一つの関節の不調は、波紋のように全身へ広がっていきます。

逆に言えば、どこか一箇所の「隠れた原因」を紐解くことができれば、
全身のバランスは面白いように整い始めることがあります。

「もうこの肩こりとは付き合っていくしかない」と諦める前に、
いつもとは違う視点で自分の体を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

当院では、あなたの体の個性に寄り添い、多角的な視点から健やかな体づくりをお手伝いしています。


【あなたの体も、新しい視点でチェックしてみませんか?】
もし、ご自身の「アゴの状態」や「腕の疲れ」が肩こりに関係しているかも……
と気になった方は、まずは鏡の前で口をゆっくり開けてみてください。
アゴが左右に揺れたり、鏡で見た時に肩の高さが左右で大きく違ったりしませんか?

「自分の体の歪みの本当の理由を知りたい」
「自分に合ったアプローチを提案してほしい」
という方は、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。

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