【シンスプリント】練習を休んでも治らないスネの痛み。走っても痛くない体に戻す方法を教えます

「シンスプリントは、筋肉が骨を引っ張って炎症が起きるもの」
今まではそのように考えてこられていました。
しかし、最新の研究では、骨そのものへの負担が最大の原因であると
考えられるようになってきました。
スネの骨(脛骨)は着地のたびに「しなり」ます。本来、体全体で
この衝撃を分散させるのですが、他の関節の動きが硬くなっていることで
集中的にスネに衝撃がかかるようになります。
では、他の関節というのはどういったものがあるのか?
体のどの部分の関節が関係しているのか。
それらについて解説させていただき、痛みの原因を探し
シンスプリントの痛みの改善法や対策をご紹介させていただきます。
⭕️足関節以外の関節可動性の低下が要因だった
ここから、シンスプリントに関係しているだろう関節について
説明させていただくのですが、その前に一つだけ頭に入れておいて
ほしいことがあります。それは、、
『体は全体で一つのユニットである』
”関係ないようなところも全て繋がっている”ということです。
この考え方を前提に、お話を進めさせていただきます。
①股関節の可動性の低下
歩く時や走る時には、股関節の前後の動きだけではなく、
内側や外側に捻る動作が起こっています。
これらの動作が合わさり微調整されていることで、
足がスムーズに前に出るようになったり
地面を蹴る力が伝わりやすいようになっています。
しかし、股関節が硬くなると、こういった微調整ができにくくなります。
その結果、骨盤が無理に動こうとして、膝や足首、土踏まずのあたりの関節に
捻れが起こり、筋肉や関節への負担が大きくなってしまいます。
②背骨の可動性の低下
スネの痛みなのに、どうして背骨が関係あるの?
そう思われても仕方ありません。でも実は背骨の動きは
あらゆる関節の動きに対しても、すごく重要な関節なんです。
背骨の可動性”しなり”があるから、体はスムーズに動かせるといっても
過言ではありません。
背骨の”しなり”の動きが低下すると、股関節の動きに影響がでます。
特に股関節(脚を)後ろに反らしにくくなります。
その状態で走ったり運動をし続けていると、膝や足にかかる負担が
大きくなり痛めるケースもあります。
③骨盤(仙腸関節)の可動性の低下
仙腸関節の働きは、背骨の方から伝わってくる”ちから”を下肢へ
足の方から伝わってくる”ちから”を背骨へ伝達したり、衝撃を分散させる
働きを担っています。
日常での体の使い方や、よくない姿勢をとる習慣があったりすると
仙腸関節周辺の筋肉が固まり可動性が低下します。
その結果、背骨や足からの衝撃を分散させられなくなったり、
うまく力が伝えられないようになるので、足にかかる負担が大きくなり
痛めるケースもあります。
④足の関節が硬くなる
足にはたくさんの骨があります。
「立つ・歩く・飛ぶ・着地する・踏ん張る」など
日常のさまざまな動きを支えてくれているのが、この足です。
体の中で一番働いて、負担がかかっているのが足だと思うのですが、
働く量やかかる負担からすると筋肉は小さいものしかありません。
おしりや太もものような筋肉はありません。
どのように衝撃や負担を分散させているかというと、
骨格の構造そのものが、その役割を果たしてくれています。
それが、
・土踏まずの所と小指側にある「縦アーチ」
・土踏まずから少し足の指側にさがった所にある「横アーチ」
です。

足には、このようにたくさんの関節があります。
これらの関節が、「足のつき方」「体重のかけ方」などに
合わせて衝撃を分散させるように働きます。
⭕️ふくらはぎや足首、足の指を動かす筋肉も要因となります
筋肉の柔軟性・働きの低下
走る・跳ぶ・踏ん張るといった動作では、
骨や関節だけでなく、筋肉が伸び縮みしながら力を受け止め、次の動きへつなげる
という役割を担っています。
特にスネの痛み(シンスプリント)と関係が深いのが、
・ふくらはぎの筋肉
・スネの内側につく筋肉
・足の裏の筋肉
これらの筋肉です。
本来、筋肉は
「伸ばされながら力を受け止める」
「縮みながら力を発揮する」
という働きを、状況に応じて切り替えています。
しかし、同じ動作の繰り返しや疲労の蓄積、回復が追いつかない状態が続くと、
筋肉は硬くなり、うまく伸び縮みできなくなります。
すると、衝撃を吸収する役割を十分に果たせなくなり、
その負担が骨や骨膜(骨の表面)に集中してしまいます。
これが、スネの内側に痛みが出やすくなる一つの理由です。
また、筋肉が硬くなると
関節の動きそのものも制限されるため、
・足首がスムーズに動かない
・着地の衝撃が逃がせない
・地面を蹴る力がうまく伝わらない
といった状態になり、
結果的にスネへの負担がさらに大きくなるという悪循環に陥ってしまいます。

⭕️筋肉のマッサージやストレッチをするだけでは改善されない理由
このように、シンスプリントの要因は筋肉だけに限らず、
関節の可動性の低下も大きく関係していることがわかります。
スネの筋肉やふくらはぎの筋肉、足の裏の筋肉など、
疲れが溜まっている部分や硬くなっている部分を
マッサージしたり、ストレッチしたりすることは決して無駄ではありません。
血流を良くし、筋肉の疲労を軽減させることは、
回復を早めるためにも大切なことなので、ぜひ行ってほしいと思います。
ただ、ここまでお伝えしてきたように、
関節の可動性と痛みには深い関係があります。
足首の関節だけでなく、
股関節や骨盤、背骨などの関節の可動性を高めていかなければ、
たとえマッサージやストレッチを行っても、
筋肉に負担がかかる「原因」そのものが解消されないままになってしまいます。
その結果、痛みを何度も繰り返してしまうケースも少なくありません。

⭕️整え方・セルフケアの紹介
① 足のアーチ(内側・外側・横アーチ)を整えるストレッチ
足には
・土踏まず側の内側の縦アーチ
・小指側の外側の縦アーチ
・足の指の付け根付近にある横アーチ
という、衝撃を分散させるための構造があります。
このアーチを支えているのが、中足骨(足の甲にある骨)同士の間にある小さな筋肉です。
【やり方】
足の指の付け根あたりに親指を当て、
中足骨と中足骨の間を一本ずつ確認するように、
指で押しながら足の裏を「丸める」ように動かします。
足の甲から足裏を包み込むようなイメージで行うと、
横アーチが持ち上がりやすくなります。
強く押す必要はなく、
「痛気持ちいい」程度で十分です。
この動きを続けることで、
足が本来持っている衝撃を逃がす力が働きやすくなります。
②股関節と仙腸関節の連動性を高めるストレッチ
歩く・走るといった動作では、
股関節と骨盤(仙腸関節)は別々に動いているのではなく、
お互いに連動しながら動いています。
どちらかの動きが悪くなると、
もう一方が無理にカバーしようとし、
その結果、膝や足に負担がかかりやすくなってしまいます。
この連動性を整えるために、
うつ伏せの姿勢で行えるストレッチがおすすめです。
【やり方・ポイント】
うつ伏せになり、片脚ずつ膝を軽く曲げながら、
太ももを床から少し持ち上げるように動かします。
このとき、
・骨盤が全く動かず固まったままになっていないか
・脚の動きに合わせて、骨盤がわずかについてくるか
この2点を意識してください。
はじめは
「脚だけが動いて、骨盤がついてこない」
と感じることも多いですが、それは連動性が低下しているサインです。
無理に高く脚を上げる必要はありません。
ごく小さな動きでも構いませんので、
脚の動きに合わせて骨盤が自然に動く感覚を感じながら行ってみてください。
この感覚が戻ってくると、
股関節と仙腸関節の役割分担がスムーズになり、
走る・歩くといった動作で、足にかかる負担が軽減されていきます。
③ 背骨のしなりを良くする体操
背骨は一本の棒ではなく、
小さな骨が積み重なってできています。
この一つひとつが少しずつ動くことで、
体は衝撃を受け流し、スムーズに動くことができます。
【やり方の考え方】
・一気に大きく動かそうとしない
・背骨を「波のように」動かすイメージを持つ
丸める → 伸ばす
ひねる → 戻す
といった動きを、呼吸に合わせてゆっくり行います。
勢いをつけず、
「背骨が一本ずつ動いているかな?」
と感じながら行うのがポイントです。
背骨のしなりが戻ってくると、
股関節の動きも自然と出やすくなり、
結果的に足への負担が軽減されていきます。
⭕️さいごに
シンスプリントの痛みは、
「スネの筋肉が悪いから起こる」
「使いすぎだから仕方がない」
そう単純に割り切れるものではありません。
今回お伝えしてきたように、
体は一部分だけで成り立っているのではなく、
股関節・骨盤・背骨・足の関節・筋肉が連動して働く一つのユニットです。
そのどこかの動きが滞ることで、
本来は全身で分散できるはずの衝撃が、
スネという一か所に集中してしまいます。
マッサージやストレッチで筋肉をケアすることは、とても大切です。
ただ、それだけでは
「なぜそこに負担がかかり続けているのか」
という根本的な部分が残ってしまうケースも少なくありません。
大切なのは、
痛みが出ている場所だけを見るのではなく、
体全体の動きのつながりに目を向けることです。
もし、
・ケアをしているのに痛みを繰り返している
・休むと楽になるが、再開するとまた痛む
・原因がよくわからず不安を感じている
そんな状態であれば、
体の使い方や関節の動きに目を向けてみることが、
改善への「きっかけ」になるかもしれません。
このブログが、
ご自身の体を見直す一つのヒントになれば幸いです。
