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【意外な腰痛の原因】足首の捻挫を放置していて腰が痛くなることがあります。


「なにをしたわけでもないのに、最近腰に痛みがあってつらいんです」

こんな原因不明の腰痛に悩まされていることはありませんか?
腰の痛みの解消のために来られている患者様はたくさんおられますが
その中でも、これといった原因が見当たらない腰痛に悩まされている方も
少なくありません。

今回は、そんな中でも原因を探っていくと、「足首の捻挫」により腰痛が
引き起こされているケースがあったので、その理由を解説せていただきます。

⭕️足首と腰の関係性

どうして足首の捻挫が腰痛に関係しているのか、
それを理解していただくために、まず構造の話を簡単に説明していきます。

【腰の骨】⇆【骨盤】⇆【股関節】⇆【膝】⇆【足首】
このように、関節が連鎖する“ひとつのチーム”として働いています。
腰と足首は直接つながっているわけではありません。
ですが、間にある関節や筋肉を通して、必ず影響し合っています。

例えば、右足の外側に体重がかかるクセがある場合

無意識のうちに、
・立つときに右足に乗りやすい
・靴の外側だけがすり減る
・片足重心になりやすい
このような状態が続くと、右足の外側の筋肉(ふくらはぎ・太ももの外側・お尻の外側)
が常に働き続けることになります。

ここで大事なのは、
「一回の負担」ではなく、「かかり続ける負担」
という点です。
ホコリが少しずつ積もっていくように、
負担も少しずつ積み重なります。

外側の筋肉に負担がかかり続けると…
外側の筋肉が縮みやすくなり、張りやすくなります。
すると、
右の骨盤が外側に引っ張られ、
骨盤が右に偏った状態になりやすくなります。
骨盤は土台です。
土台が傾けば、その上に乗っている腰も影響を受けます。

なぜ腰がつらくなるのか?

骨盤が右に偏ると、
・腰の右側の筋肉は縮みやすくなる
・反対側は引き伸ばされ続ける

どちらの状態も、実は「負担」です。
そして負担がかかり続けることで、
腰の筋肉は硬くなり、動きが悪くなります。
本来スムーズに動くはずの関節が、
筋肉の硬さによって制限されてしまう。
これが、腰痛の原因のひとつになります。

つまり
右足の外側に体重がかかるクセ

下半身の外側の筋肉に負担がかかり続ける

骨盤が右に偏る

腰の筋肉に負担がかかり続ける

腰の動きが悪くなる

腰痛につながる
という流れです。

⭕️足首の捻挫と腰痛の関係

・段差につまづいて捻挫
・階段を降りるときに足を滑らせて捻挫
・ハイヒールでバランスを崩して捻挫
・段差を踏み外して捻挫
こういったケースの多くは、内返し捻挫と呼ばれるタイプです。
足首を内側にひねることで、外側の靭帯を傷めるケガです。

捻挫をすると、
・踵の骨が内側に倒れやすくなる
・靭帯や筋肉が傷つき、足首が不安定になる
・足の土踏まず(アーチ)が崩れやすくなる
といった変化が起こります。
本来、足は「地面にまっすぐ立てる構造」になっています。
しかし、捻挫によってその安定性が失われると、
足の外側に体重が逃げやすくなるのです。

構造の問題だけではありません。
捻挫では靭帯や筋肉が損傷し、炎症が起こります。
炎症がある状態では、足をまっすぐ地面につくこと自体がつらくなります。
すると身体は無意識に、
「痛くない立ち方」
「痛くない歩き方」
を選びます。
その結果、捻挫した部分に負担をかけないように
足の外側に体重をかけるクセがついてしまいます。

■ 問題は「その後」です

ケガは治ったと思っていても、
・外側荷重のクセ
・不安定な足首
・崩れたアーチ
が残ったまま生活を続けてしまうことがあります。
ここで前回の話につながります。
足の外側に体重がかかり続ける

下半身の外側の筋肉に負担がかかり続ける

骨盤が右(または捻挫側)に偏る

腰の筋肉に負担がかかり続ける

腰の動きが悪くなる

腰痛につながる

⭕️どのように腰痛を改善するのでしょうか

このケースの腰痛は、「腰の筋肉が硬いこと」が問題なのではなく、
腰に負担がかかり続ける状態が維持されていること
が本質的な問題です。
そのため、硬くなった腰の筋肉をほぐすだけでは、
・一時的に楽になる
・しかし時間が経つと戻る
という状態になりやすくなります。
なぜなら、腰に負担をかけ続けている原因が足元に残っているからです。

▶︎足首の捻挫後に起きている身体の変化

内返し捻挫では、足首の外側の靭帯を損傷します。
その結果、
足首の不安定性
靭帯は関節を安定させる役割があります。
損傷すると、足首はわずかにグラつきやすい状態になります。

踵骨の内側への傾き
足首が不安定になることで、踵の骨が内側に倒れやすくなります。
これにより足部全体のアライメント(骨配列)が変化します。

足のアーチの低下
足部の安定性が失われると、土踏まず(内側縦アーチ)が低下しやすくなります。
アーチが崩れると、本来分散されるはずの荷重が偏ります。

痛みによる回避動作
炎症や痛みにより、無意識に患部を避けた歩き方・立ち方をします。
その結果、足の外側に体重をかけるクセが定着します。

▶︎なぜ足へのアプローチで腰が変化するのか

足首の安定性を改善し、
・距骨や踵骨の位置を整える
・足部のアーチを再形成する
・荷重を中央に戻す
これらを行うと、下肢の筋緊張バランスが変化します。

すると、
・外側の過剰な筋活動が低下
・骨盤の偏りが軽減
・腰部への持続的なストレスが減少
という変化が起きます。
その結果、触れていない腰の筋肉の緊張が自然に低下することがあります。

実際、治療中に患者様が「腰にズーンとした感覚がある」と言われたことが
あるのですが、足首の調整によって腰部の筋緊張バランスが変化した反応と考えられます。

▶︎根本改善に必要な視点
このタイプの腰痛では、
✔ 腰を直接ゆるめること
だけでなく
✔ 足首の安定性を回復させること
✔ アーチを再建すること
✔ 外側荷重のクセを修正すること
が重要になります。

腰は症状が出ている場所であり、原因が存在している場所とは限りません。
負担の出発点を見極め、そこを改善することが
本当の意味での根本的な腰痛改善につながります。

⭕️まとめ

「足首の捻挫」と聞くと、多くの方は“足のケガ”と捉えます。
まさかそれが腰痛につながるとは、なかなか想像できないものです。

腰が痛くなると、
・座り方が悪かったのかもしれない
・最近、無理をしたかもしれない
・運動不足が原因かもしれない
と、腰そのものに原因を求めるのが一般的です。

しかし実際には、数週間前、数ヶ月前、あるいは数年前に起こした
足首の捻挫が、影響を残し続けているケースもあります。

捻挫をきっかけに
・外側荷重のクセが残る
・足首の不安定性が続く
・アーチが十分に回復していない
・歩行時の力の伝わり方が乱れる
といった状態が維持されると、下半身から骨盤、そして腰へと負担が連鎖していきます。
自覚がないほどのわずかな変化でも、日常生活の中で繰り返されることで
身体には確実に影響が蓄積します。

「少しひねっただけだから」
「もう痛みはないから大丈夫」
そう思って治療せずに過ごしてしまうことで、数ヶ月後、
数年後に腰の痛みとして現れる可能性があります。

軽い捻挫であっても、
・きちんと回復しているか
・足首は安定しているか
・アーチは保たれているか
・左右差なく立てているか
を確認することが大切です。

腰痛を繰り返している方や、原因がはっきりしない腰の違和感が
続いている方は、一度「足元」に目を向けてみてください。

腰だけを見るのではなく、身体全体のつながりを見ていくこと。
それが、再発を防ぐための第一歩になります。

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