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石灰沈着性腱炎:原因、症状、治療法について

こんにちは、きっかけ整体院の院長、近藤です。今回は、多くの方が悩まれている「石灰沈着性腱炎」について詳しくお話しします。病院で診断がつかず、原因不明の痛みに悩まされている方々に、少しでも役立つ情報をお届けできればと思います。


■石灰沈着性腱炎とは?

石灰沈着性腱炎は、主に30〜50歳の女性に多く見られる疾患です。腱(特に肩の腱板)にカルシウムが蓄積することで、激しい痛みや機能障害を引き起こします。

  1. ホルモンの影響: 女性ホルモンの変動が、腱や結合組織の代謝や修復過程に影響を与える可能性があります。特に、更年期におけるホルモンバランスの変化が関与しているかもしれません。
  2. 生活習慣や身体的負荷: 女性の生活習慣や日常的な身体的負荷が、肩の腱板に特有のストレスを与えることが考えられます。これにより、腱板に微小損傷が蓄積し、石灰沈着を促進する可能性があります。

 主な症状

1. 激しい関節の痛み(特に急性期)
2. 関節の可動域制限
3. 夜間の痛み(睡眠障害の原因に)
4. 腫れと熱感

これらの症状は、特に肩に多い疾患ですが肩以外の部位(股関節、肘、手首、足首、膝など)でも発生することがあります。

■なぜ石灰沈着が起こるのか?

 

石灰沈着の正確な原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関連していると考えられています:

1. 加齢による腱の変性(代謝機能の低下、血流の低下によるもの)
2. 繰り返しの動作による腱へのストレス
3. 遺伝的要因
4. ホルモンバランスの変化(女性に多い理由の一つ)

特に注目したいのは、繰り返しの動作による腱へのストレスです。この腱へのストレスが石灰沈着を引き起こすメカニズムについて、詳しく見ていきましょう。

 

腱へのストレスと石灰沈着のメカニズム

1. 微小損傷の蓄積:繰り返しの動作により、腱に微小な損傷が蓄積されます。

2. 修復過程の異常:過度のストレスや血流不足により、通常の修復過程に異常が生じます。

3. 腱(細胞)の変性:持続的なストレスにより、腱を構成する細胞(腱細胞)が変性し、代謝機能が低下します。

4. カルシウム代謝の乱れ:腱細胞の変性により、カルシウムの代謝バランスが崩れ、細胞内にカルシウムが蓄積し始めます。

5. 石灰化の開始:蓄積したカルシウムが核となり、リン酸カルシウムの結晶(石灰)が形成されます。

6. 炎症反応の誘発:石灰沈着が進むと周囲の組織に炎症反応が起こり、さらなる細胞の変性や石灰化を促進する悪循環に陥ります。

7. 血流の低下:炎症や石灰沈着により腱への血流が低下し、修復能力がさらに低下します。

 

■腱にストレスを与える原因の具体例

 

日常生活やスポーツ活動の中で、知らず知らずのうちに腱にストレスをかけている可能性があります。以下に具体例を挙げてみましょう:

1. 反復動作:掃除などの家事、タイピング、テニスのサーブ・野球の投球動作のような動きなど
2. 過度の負荷:重い荷物の上げ下ろし、重量挙げのような急激な力の発揮
3. 不適切な姿勢:デスクワークでの前傾姿勢、スマートフォンの長時間使用、座椅子やソファの背もたれにもたれかかる
4. 急激な動き:スポーツ中の急な方向転換、転倒時の衝撃
5. 長時間の固定:長時間の運転、立ち仕事・座り仕事
6. 過度の伸展や圧迫:過度のストレッチ(痛いのに無理に伸ばす)、不適切な装具(コルセットやサポーター)の使用

これらのストレスが長期間にわたって繰り返されることで、腱の修復過程に異常をきたし、細胞の変性を引き起こす可能性があります。

 

■診断

石灰沈着性腱炎の診断は、主に以下の方法で行われます:

1. 症状の問診
2. 身体所見の確認
3. レントゲン検査(石灰沈着の視覚的確認)
4. 超音波検査(エコー)(より詳細な石灰沈着の状態確認)

 

■治療方法


治療方法は症状の程度や石灰の状態によって異なりますが、一般的には以下のようなアプローチがとられます

1. 保存的治療:
– 消炎鎮痛剤の服用
– 患部の冷却(急性期)
– リハビリテーション(軽度の運動療法)

2. 超音波ガイド下穿刺吸引術:石灰を直接吸引して除去する方法

3. 体外衝撃波治療:衝撃波を用いて石灰を粉砕する方法

4. 手術:保存的治療で改善が見られない場合に検討

 

予防と日常生活での注意点

完全な予防は難しいですが、以下の点に注意することで発症リスクを下げることができます:

– 石灰沈着を起こした部位に過度の負担をかけない
– 定期的なストレッチや適度な運動
– バランスの取れた食事(抗炎症作用のある食品の摂取)
– 適切な姿勢の維持
– 十分な休息
– 段階的なトレーニング(急激な負荷増加を避ける)

 まとめ

石灰沈着性腱炎は、適切な治療を行えば改善が期待できる疾患です。しかし、その発症メカニズムは複雑で、日常生活の中の様々な要因が関与しています。

痛みの原因がわからずに悩んでいる方、長引く肩の痛みでお困りの方は、石灰沈着性腱炎の可能性も考えてみてください。早期発見・早期治療が、症状の改善と日常生活の質の向上につながります。

健康で活動的な毎日を過ごすために、私たちがお手伝いできることがあれば幸いです。

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