【良性発作性頭位めまい症】頭を傾けた時に突然、目の前がグルグルと回った!めまいのメカニズムと対処法

「朝、布団から起き上がろうとしたら、突然目の前がグルグル回った」
「デスクワーク中、頭を右側に傾けたら、急に激しいめまいに襲われた」
このような、つらい経験はありませんか?
もしかすると、その症状は、
『良性発作性頭位めまい症』という
めまいの病気かもしれません。
今回は、この“めまい”がなぜ起きるのか
その原因と仕組みを解説します。
【この記事を書いた人】
氏名 : 近藤 俊介(こんどう しゅんすけ)

[資格]
・柔道整復師
[施術歴]
・開業前に15年以上、治療の修行
・開業後3年、きっかけ整体院にて施術
[得意分野]
・首や肩の痛み、腰痛、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症
などの慢性的な不調
・小学生から90歳代のご高齢の方まで対応している
痛みのない施術
[治療院]
・きっかけ整体院(三重県桑名市)
⭕️なぜ“めまい”が起こるの?
私たちの耳の奥(内耳:ないじ)には、
声や音などを「聞く」ためのセンサーと
自身の体勢がどうなっているのかを感知し
体のバランスを保つ(平衡感覚)ための
センサーがあります。
平衡感覚のセンサーは、主に以下の2つ
で成り立っています。
①耳石器(じせきき)
耳の奥には「耳石器」というカルシウムでできた
砂つぶよりも小さな粒がたくさん詰まっており、
自身の体の傾きなどを感じ取ります。
例えば…
「傾斜のある所に立っていて、体が傾いているな」
とういことや
「乗り物が急加速したぞ」
「エレベーターが上に動き出したな」
というような判断をしています。
②三半規管(さんはんきかん)
リンパ液という全身をめぐる液体で
満たされた、それぞれ違う向きを向いた3つの
輪っかがあります。
例えば…
遊園地のコーヒーカップに乗って急に回転
する時などに「どちら側に向いて回っているか」
などを感知し、バランスがとれるようにします。
実は、、、
“傾きや動き”を感知する耳石は、
常に新しいものに生まれ変わっています。
何らかの理由で内耳の膜の上に乗っていた耳石が
剥がれ落ち、「三半規管」の輪っかの中に
入り込んでしまうことがあります。
耳石が入ってしまったことで強い刺激が
入りこれが脳に伝えられます。
例えば、、右耳に耳石が入った場合だと
「右耳からは強い刺激が入ってくるけど
左耳からは、そのような刺激が入ってこない」
という状態になり、脳が混乱状態になります。
それが『めまいが起こる原因』だと
考えられます。
こういった仕組みで“めまい”が起こる
代表的な疾患名が
【良性発作性頭位めまい症】
です。
実は、耳の中で起きていることが原因で
起こるめまいのうち、約6割がこの
良性発作性頭位めまい症だと言われています。
「めまい」の症状でよく聞く疾患の
『メニエール病』は、約2割だと言われ
圧倒的に多い病気です。

⭕️どんな人がなりやすいの?
中高年以降に多いです。
男性よりも、女性に多い傾向があります。
▶︎長時間、同じ姿勢で作業をしている
デスクワーカー。
▶︎ネイリスト、アイリストのような
同じ姿勢かつ細かい作業が続く人
に多く、“めまい”を訴える患者さんの
約半数を占めるというデータもあります。
🔸耳石が剥がれやすくなる要因
①長期間、病気などで寝たきりになっている
②いつも同じ側を向いて寝る癖がある
③低い枕で寝ている
(頭の位置が低くなり、古い耳石が三半規管の
「後半器官」に入り込みやすい)
④普段からの運動不足
⭕️どんな症状がでるの?
一番の特徴は、
「頭を動かした時に、目の前が
グルグル・ユラユラ揺れる」ことです。
⚪︎めまいの時間:数秒〜1分程度でおさまります。
(たまに、数分ほど続く場合もあります)
『特定の頭の動き』をした時に、
毎回同じように“めまい”が起こるのが特徴です。
⚪︎めまい以外の症状:吐き気、嘔吐を伴うことも
※ 耳が聞こえにくくなる、意識が遠のく、
言葉がうまく話せない(ろれつが回らない)
手や足がしびれる・動かしにくい、
めまいが数日以上続く、といった症状は
伴いません。
⭕️めまいのタイプは2種類
【半器官結石症】
古くなった耳石が、三半規管内を巡る
リンパ液の中をプカプカと漂っている状態。
→頭を動かすと、三半規管内のリンパ液
と一緒に、古くなった耳石が動きます。
この耳石の動きを、脳が
「体が回転している」と勘違いしてしまい
めまいが起こります。
【クプラ結石症】
古くなった耳石が、三半規管の根元にある
「お椀のような形をしたセンサー(クプラ)」
に、ぴったりこびりついてしまった状態。
→センサーに古くなった耳石の重みが加わるため
頭を傾けている間、ずっとセンサーが刺激を
送り続けます。
耳石がすぐに離れないため、頭を動かした
あとも、めまいが長く続く傾向があります。
⭕️めまいが起きた時の対処法
★自己判断での無理な体操は極力避けてください
YouTubeなどの動画を見て自分でやってみようと
する人が多いですが、逆の耳石を動かして悪化
させてしまったり、別の三半規管に耳石を移動
させてしまったりするリスクがあります。
耳鼻咽喉科で「どの三半規管での“めまい”か」
を診断してもらうことをおすすめします。
【最も一般的な「エプリー法」のやり方】
良性発作性頭位めまい症で最も多く見られるのが
三半規管の一つ「後半器官」に入り込んだ耳石を
戻す際、世界中で一般的に使われている方法です。
その流れを解説していきます。
※ここでは「右側」の耳に原因がある場合の
標準的な流れをステップで解説します。
①ベッドや布団の上に足を伸ばしたまま座ります。
寝転んだ時に、肩甲骨の高さあたりに少し高さの
ある枕やクッションがくるように敷いておきます。
→右に顔を向けたまま体を倒し寝転びます。
※この時、耳石が重力で下へ移動し始めます。
(ここで“めまい”が起きます。つらいですが
耳石が動いている証拠ですので、数十秒〜1分ほど
すると治まってくるので、途中でやめないように
耐えてください)
②頭を左側へ10秒くらいかけて、ゆっくり向けます。
※ここでも、めまいが起きることがありますが
治まってくるまで耐えて、数十秒〜1分ほどキープ
してください。
③頭の向きはそのままにして、体ごと左側へゴロン
と横向きになります。
顔の向きは、やや斜め下の床を見るような角度になります。
ここでさらに30秒〜1分間キープします
(これで耳石が出口に導かれます)。
④10秒くらいかけてもいいので、ゆっくりと
体を起こして座ります。
少しふらついたりする場合は落ち着くまで
じっと休んでおいてください。
⚠️1.治療後の注意点
耳石を戻した直後にすぐ横になると、戻った耳石が
また三半規管に逆戻りしてしまうことがあります。
「治療当日は高い枕で寝る」
「横にならず少し体を起こして過ごす」
ようにして、戻した耳石が、また三半規管の方へ
入り込まないように注意しましょう。
⚠️2.クプラ結石症には効果が期待できない
先ほどご紹介した「耳石がセンサーにこびりついて
いるタイプの(クプラ結石症)」の場合、
ただゆっくり動かすだけでは耳石が動きません。
その場合は、別の運動療法での対処になるので
「どのタイプのめまいなのか」を耳鼻咽喉科で
診断してもらってから行ってください。
⭕️再発を防ぐ「4つの生活習慣」
①枕を少し高くする
寝る時の頭の位置が低すぎると(顎が上がる状態)
重力の関係で、古い耳石が三半規管に入り込み
やすくなります。
顔がフラットな状態または若干あごが下がる状態
になるような姿勢で寝られるように、枕を変えるか
タオルなどを利用し高さを調整するのがおすすめ!
②いつも同じ方向を向いて寝る癖があると
(例えばテレビが左側にあるから、そちらを見て
寝転ぶ習慣がある、など)
下になった方の耳にばかり耳石が沈澱して
溜まりやすくなります。
「反対向きで寝るようにしたり」
「気がついたら寝返りを打つようにしたり」して
耳石が溜まらないように気をつけましょう。
③日常的に体を動かしておく
ウォーキングやラジオ体操など、手軽に始められ
やすい運動で十分です。
激しいスポーツやトレーニングをする必要は
ありません。日常的に体を動かすことで
耳の中のリンパ液が適度にかき混ぜられ、
古い耳石が自然に代謝・吸収されやすくなります。
④朝起きたら「寝返り運動」をする
最も手軽で強力な三半規管トレーニング。
あえて、左右にゴロゴロと寝返りを打つことで
万が一、夜の間に三半規管に入り込みそうに
なった古くなった耳石を、ひっかかる前に
自然と外へ追い出すことができます。
やり方は簡単!
・仰向けの状態から、頭を右に向けます。
↓↓↓
・ゴロンと右を向いて横向きになります。
(このまま10秒キープ)
↓↓↓
・また仰向けの状態に戻ります。
(ここも10秒キープ)
↓↓↓
・頭を左に向けます。
↓↓↓
・ゴロンと左を向いて横向きになります。
(このまま10秒キープ)
↓↓↓
・仰向けの状態に戻ります。
(このまま10秒キープ)
これを3回繰り返しましょう!!

◎余裕のある人は、左右にゴロンと体を向ける
際に、そのままうつ伏せになるぐらいに
勢いをつけて転がってみましょう。
回転に対する平衡感覚を鍛える三半規管の
トレーニングにもなります。
⭕️さいごに
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
良性発作性頭位めまい症による“めまい”に
悩まされる方はたくさんおられます。
いつも通りの生活をしている時に、突然
「目の前がグルグル回った」というような
症状に襲われると、強い不安を感じます。
このまま治らないんじゃないかと悩んで
しまう方も少なくありません。
今回の記事が、そのように悩んでおられる方の不安な
気持ちが少しでも楽になるきっかけになれれば幸いです。
皆様の健康と、笑顔あふれる毎日を心よりお祈りしております。