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ここ数年でトレーニング中の事故が多発しているというニュースを見て

2026.05.31

2019年1月から2025年12月までの7年間で、
パーソナルトレーニング中に起きた事故が
少なくとも196件報告されています。
※消費者事故調の報告書(2026年5月発表)より

当院にも、パーソナルトレーニングに
通われている方が数名おられます。
実は、通院のきっかけは
トレーニング中のケガではありません。

トレーナーさんに
「身体が硬いから」
「姿勢が悪いから、一度バランスを
整えてもらった方がいいですよ!」

と、整体を勧められたことでした。

通院されてからも、
重症といわれるケガはありませんが、
「この種目をやると肩が痛くなる」
「あの動きの時に腰に違和感がある」

というようなご相談を受けることは、
本当によくあります。

まず、最初にお伝えしておきたいのは、
このニュースを見て安易に
「パーソナルトレーニングは危ない」
「無理な運動はやってはいけない」

と言いたいわけではありません。

実際に、私たちが関わる業界でも、
整骨院やマッサージなどでの事故のニュースは
同じように存在します。

ですから、今回の件は
「同じように人の身体に関わる者」として、
改めて私自身も気を引き締めなければいけない
と感じさせられるニュースでした。

その上で、今回は
トレーニングを安全に楽しむための
「身体のサイン」についてお話しします。

【この記事を書いた人】
氏名 : 近藤 俊介(こんどう しゅんすけ)

[資格]
・柔道整復師
[施術歴]
・開業前に15年以上、治療の修行
・開業後3年、きっかけ整体院にて施術
[得意分野]
・首や肩の痛み、腰痛、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症
などの慢性的な不調
・小学生から90歳代のご高齢の方まで対応している
痛みのない施術
[治療院]きっかけ整体院

⭕️ 消費者庁による最新の調査データ

2026年5月27日、消費者庁の
消費者安全調査委員会が
最新の調査報告書を公表しました。

【年別の事故件数(増加傾向)】
2019年:14件
2020年:22件
2021年:19件
2022年:30件
2023年:36件
2024年:31件
2025年:44件(過去最多)
7年間の合計:196件

2022年以降、パーソナルジムの
店舗数急増に伴い、
事故件数も右肩上がりに増えています。

さらに、196件のうち約41%(81件)が、
「治療に1か月以上を要する重傷」
という衝撃的なデータも出ています。
ケガをした部位として特に多いのは、

腰・股関節:59件
膝・足(太ももやふくらはぎ):44件
肩・腕:20件

このデータは、あくまで
「公に報告された件数」です。
実際には、ケガをしたけれど報告していない
ケースがもっとあると考えられます。

⭕️トレーニング中に「我慢してはいけない」自覚症状5選

専門知識がなくても、
「この感覚があったらすぐに中止する」
と判断できる目安を5つにまとめました。

「ピキッ」と何かが弾けた・切れた感覚
《具体的な症状》
力を入れた瞬間に、筋肉のピンポイントな場所に
何かが弾けたような鋭い衝撃が走る。
その後は動かしたり、力を入れるだけで激痛が伴う。
《その理由》
筋肉や、筋肉の端にある「腱(けん)」が
プチッと切れてしまった(肉離れなど)サインです。
パンクしたタイヤで走り続けるようなもので、
動作を続ければ傷口がさらに広がり、
最悪の場合は手術が必要になります。

関節の奥で「ズキッ」と電気が走るような鋭い痛み
《具体的な症状》
筋肉が張るような「重いキツさ」ではなく、
関節の奥がピンポイントで痛む。
または、肩から手先、腰から足先に向かって
ピリピリとした痛みが走る。

《その理由》
関節を包む膜や、クッションの役割をする組織が
骨と骨の間に挟み込まれているか、
神経が圧迫されている可能性があります。
これらは筋肉と違って血流が乏しいため、
一度傷つくと修復に長い時間がかかります。
無理をすると、普段の生活でも
しびれや痛みが残る原因になります。

持ち上げようとしても、なぜか「力が入らない」
《具体的な症状》
筋肉が疲れて上がらない(限界がきた)のではなく、
脳からの命令が急に途切れたように、
特定の関節に力が入らなくなる(経験したことのない脱力感)。

《その理由》
脳による「緊急ブレーキ(防御反応)」が働いています。
これ以上やると筋肉や関節が壊れてしまうと脳が判断し、
強制的に出力をストップさせているのです。
また、日頃の疲れや精神的なストレスが
溜まっている時にもこの現象が起きます。
「これ以上は危険!」という脳からの最終警告です。

左右で「痛みの出方や突っ張り感」が全く違う
《具体的な症状》
スクワットなどを大勢でやっていて、
片側の関節や筋肉だけが異常に痛む、
あるいは詰まる感じがする。

《その理由》
骨格の左右差や、フォームの「わずかな捻れ(代償運動)」
によって、片側だけにストレスが集中しています。
体重や負荷が均等に分散されていない証拠なので、
そのまま回数を重ねれば、
負担がかかり続けている側を確実に痛めてしまいます。

動作の途中で「特定の角度」だけ激痛が走る
《具体的な症状》
動かし始めは痛くないのに、
例えば「肘を90度まで曲げた瞬間だけ」
「しゃがみ込んだ瞬間だけ」激しい痛みが走る。

《その理由》
フォームの乱れにより、
関節の中で骨と骨がぶつかり合っているか、
本来の正しい軌道からズレて動いています。
その角度を通るたびに、組織に少しずつ
傷が積み重なっている状態です。
すぐにフォームの微調整が必要です。

⭕️運動経験がない人と「身体感覚」の落とし穴

パーソナルトレーニングに通っている方の
中には、今まで運動をする習慣がなかったり、
学生時代に運動部に所属していなかったり
という方が一定数おられます。

実は、身体を動かす習慣がなかった人は、
これまでに運動経験がある人に比べて、
身体感覚」が薄い傾向にあります。

身体感覚とは、
「頭でイメージしている動きと、
実際の身体の動きが一致しているか」
という感覚のことです。

例えば、
身体感覚が薄い状態だと、
脳では「手のひらを内側に向けて、
120度くらいの角度まで腕を挙げる」
とイメージしているのに、
実際は
「手のひらが内側を向いておらず、
角度も140度まで挙がっている」
というような、
イメージと実際の動きの「ギャップ」が
生まれてしまいます。

⚠️ 知らないうちに蓄積するダメージ

このような状態でトレーニングを続けると、
本人はトレーナーさんに指導された通りに
やっているつもりでも、
微妙に腕の角度が違っている
力の入れる方向がズレている
といったことが起こり、関節や筋肉に
余分な負担がジワジワと蓄積されていきます。

そしてある日、筋肉や腱、靭帯などの
耐久性が限界を迎えたときに、
一気に組織の損傷(ケガ)へとつながるのです。

ふだんから運動や筋トレの習慣がある人は、

「あれ?イメージ通りに動けていないぞ」
「狙っている筋肉と違う場所に違和感がある」

と、異変を察知する能力が備わっています。
しかし、運動経験が少ない方の場合は、
この「初期の違和感」そのものに
気が付けないケースがとても多いのです。

💡 明日からできるアドバイス

だからこそ、トレーニング中に先ほどお伝えした
「我慢してはいけない5つの自覚症状」に
少しでも当てはまる、または近い違和感を
感じたら、すぐにその感覚をそのまま
トレーナーさんに伝えてください。

ただ、中には
「ここが痛いです」
「思っている部分に力が入りません」

と伝えても、トレーナーさんから
「ここが頑張りどころです!」
「その痛みを乗り越えたら筋肉が育ちます!」
という言葉が返ってくることがあります。

その場合は、一度立ち止まって、
そのトレーニングを中断する勇気を持ってください。

中断させてくれそうになければ、痛くなかった
としても「痛くて力が入らない」などと
理由をつけて、中断するのもいいと思います。

けがをしてからでは、改善されるまでに
余分に長く時間がかかってしまうので
そうならないように、ご自身の身体を
守ることを優先してください。

⭕️最後に

「筋肉が効いているキツさ」と、
「関節や組織が悲鳴を上げている痛み」は、
まったくの別物です。
特に身体感覚にまだ自信がない段階では、
自分の感覚を信じて、無理に
「根性」で乗り越えようとしないことが、
大切な身体を守る最大の防衛策になります。

パーソナルトレーニングは、
正しく行えば素晴らしいものです。
だからこそ、もし今の練習や指導に
少しでも不安や、長引く違和感があれば、
我慢せずにトレーナーさんに相談して
みてください。

それでも、トレーニングの強度を調整
してもらえなかったり、
「この痛みは我慢してもいいのか」
「これくらいのことをトレーナーさんに伝えても
いいのだろうか」と
悩むようであれば、お近く医療機関や
整骨院・整体院・鍼灸院などへ、
なるべく早くご相談ください。

幸にして、当院へご紹介していただいている
トレーナーさんは、
▶︎ケガをしないための予防
▶︎トレーニング効果を高めるための体作り
という考えをしっかりと持たれているので

「あそこのパーソナルトレーニングを受けてから
〇〇が痛くなった・ケガをした」
という声を私は聞いたことがありません。

ですが、実際のところ全国には、
身体に関する知識が少ないままで、
根性論で痛みを我慢させたり、

ジムの利用者さんが つらそうに
トレーニングをしている姿を
(効果が出ていると勘違いして)
喜んでいるようなケースもあります。

そういったジムの本質は、 数週間、数ヶ月と
通ってみないと わからない部分でもあります。
だからこそ、少しでも「おかしいな」 と感じたら、
早めに周りへ相談してください。

そして、このような「考え方のズレ」は、
残念ながらトレーナーさんに限った話では ありません。

私たちのような施術をする者の中にも、
同じように考え方がズレてしまっている
先生がおられるのも事実です。

だからこそ、今回のニュースを
「対岸の火事」と捉えることなく、

私自身も、大切な患者様のお身体を
お預かりする者として、
改めて深く自分を律するきっかけに
しなければいけない
と感じています。

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